2011年3月18日金曜日

なぜホバークラフトをもっと早期に投入しないのか

                                               ↑ ホバークラフト (上陸用舟艇)
B110317なぜホバークラフトを投入しないのか

今日の情報で上陸用舟艇(ホバークラフト)の投入が報道された。
今回のホバークラフトの出動は余震の深度の大きさや頻度が減衰したためとは思えない。 
房総半島の沖合に待機していて、余震の心配がなくなったからといって7日目に出動したとは思えない。 何か思惑があったのではないかと思う。

東北関東大震災が発生してから7日目に入った。 日を経るごとに死者数、行方不明者数、避難者数の数値は増加してゆく。 特に避難者の物的不足、入手難や通信難や衛生、耐寒対策などへの不満は日ましに増してはいるが、なかなか解消しないことに忍耐力も限界に近いであろう。 更に原発問題に対する不安は東北地方のみならず、関東地方へも広がっている。 外国政府は日本に滞在する自国民に対して特別機を用意して日本脱出に本格的に取り組んでいる。
主に津波によって遭難した人達の生存可否の情報は殆ど報道されなくなってしまった。

太平洋戦争において、アメリカ軍はグアム島、硫黄島や沖縄などの上陸作戦として、手にてに小銃を持った米兵達が上陸用舟艇より上陸してきた映像は脳裏に深く残っている。 
今回の地震の特徴は震度が大きいこと、広範囲であること、大きな余震が繰り返し襲ってくること以上に津波による被害の大きさである。 これらの情報がTVや新聞などで繰り返し報道されている。 しかし、特に高速道路の不通は報道されているが、国道や県道などの状況の詳細は殆ど報道されていない。 これが救援物資の輸送を非効率にしていないだろうか。

津波によって遭難した人達の救援。 東北のリアス式海岸に点在する港町は海岸線を走る細い自動車道で連なっていた。 その道路が津波によって殆ど分断された状態である。 津波によって港町は殆ど破壊されてしまった。 やっとのことで高台に逃れた数少ない人達は孤立してしまっていたと思う。 
津波によって遭難してしまった人達の捜索と孤立している難民の救済に最適なのが上陸用舟艇(ホバークラフト)であったと思う。 どうして政府はこれを早期に投入しなかったのか。
地方自治体もどうして要求しなかったのか。 マスコミはどうして投入を主張しなかったのか。
早期に投入していれば津波による遭難者も各地に孤立していた生存者も早期に救済されていたであろう。
救済を求めて、寒さと空腹と、はぐれてしまった肉親や隣人・友人の消息も把握出来たであろう。

道路網や鉄道が不通の間にも上陸用舟艇(ホバークラフト)によって目的地の近くに救援物資をもっと早く届けられたであろう。 津波で通行不能になった道路の整備は港湾や海岸からも整備用機器や要員を陸揚げできたであろう。

アメリカは主に沖縄に上陸用舟艇を相当量保有していたと思う。 アメリカに早く、強く、繰り返し要請すべきだった。自衛隊にも数艘は所有していたはずである。
上陸用舟艇は50トンの搭載力が有ると言う。 沖の主艦から上陸用舟艇が目的地との間をピストン輸送したら相当の力を発揮できたのではないかと思う。

これを今までに実行しなかったのは政府の姿勢に有ったのではないかとさえ思う。 上陸用舟艇の利用は太平洋戦争の忌まわしい記憶を国民に抱かせるなどと思ったのではなかろうか。 戦争に使用する手段を平和国家・日本の国民から遠ざけておきたかったのではなかろうか。
我々の身近には戦争のよって開発されたものは多く使用されている。 コンピュータでも、インターネットも、電子レンジも、ロケットも、今問題の原子炉も、あげればきりがない。 このような軍事技術を民需技術に転用することを「スピンオフ」と言い、その逆を「スピンオン」という。 人々を救う上陸用舟艇はなぜ許せないのだろうか。

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