2011年3月12日土曜日

東北関東大地震と津波の恐ろしさ


Blog110312東日本大地震と津波の恐ろしさ

中学生の修学旅行や熟年の歴史散歩で奈良へ旅行すれば、コースに入る主な対象は高松塚古墳の壁画、聖徳太子の法隆寺、東大寺などである。 東大寺と言えば大仏である。 すなわち、太平の盧舎那仏(るしゃなぶつ)は西暦750年頃、聖武天皇によって建立されたことは良く知られていることである。 約15メートルの高さの大仏は金堂という大仏殿に鎮座していることも、広く知られていることである。

それに対して鎌倉の大仏は奈良の大仏より一回り小さく約11メートルの高さである。 奈良の大仏と異なって、大仏殿には収まっていない。 ブルーシートは無いが、野宿である。 大仏は鎌倉幕府成立の少し前に木造の大仏であったらしいが、鎌倉幕府の体制確立と時期を合わすように1250年頃に銅造の大仏が建立され、大仏殿に鎮座されていたと複数の文献に記されているという。
250年ほどの年月が過ぎた1500年頃に発生した地震によって大きな津波が発生して、大仏殿が押し流されて、現在の優美な姿を太陽と風雨にさらされて今日に至っているのである。

現在は高徳院(こうとくいん)という鎌倉市長谷にある浄土宗の寺院に鎮座している。 Google社の「Google Earth」によってWeb上で調べると、この寺院の標高は約15メートルである。 当時の地形は現在と異なり、海岸線は大仏の近くであったという。 一方、平成12年から13年(20002001年)の境内発掘調査の結果、応安2年(1369年)の倒壊以後に大仏殿が再建された形跡は見出されなかったという情報も発表されている。 どちらを信じて良いか判断しがたいが、もし前者の「津波説」を信じるとして、神奈川県の湘南海岸でも今回の「東日本大地震」の例と比べてみると10メートル前後の津波発生が有ったことになる。
東日本に限らず、日本では何時、何処でも地震によって10メートル前後の津波が押し寄せて来るやもしれぬということを覚悟しておかねばならないということを知らしてくれた尊い教訓であった。

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