現在、政府は野菜類の放射性物資の基準値を1キログラム当たり500ベクレルに設定している。
神奈川県は5月11日に南足柄市で採取した茶葉1キログラム当たり(以下同じ)から規制値を超える570ベクセルのセシウムを検出したと発表した。 同13日小田原市や周辺の2町から採取した茶葉からも670~780ベクセルのセシウムを検出したという。
農水省は生茶から飲用になった段階で放射性物資は9部分の1から6分の1に薄まるから問題はなさそうだというが、県は茶葉の回収と出荷は自主規制するなどの措置を関係農協に要請したという。
南足柄市など6市町の茶は「足柄茶」の銘柄で市場に出ているという。 今年の新茶は5月6日から出荷を始めた。 既に2600キログラムを製品化し、半分は販売されたそうだ。
神奈川県環境農政局は厚生省と原料である生茶の段階で出荷を規制すべきかどうか厚労省と検討するという。
これからすると、販売してしまった「足柄茶」はいずれ、お客様の体内へ取り込まれるのであろう。
厚労省は静岡県や埼玉県など14都県に茶葉の調査を依頼したという。 なんでも、出たとこ勝負という感じだ。 モグラたたきゲームのようだ。
福島原発はここでも生産者や販売業者だけでなく、飲用するお客様にも大きな迷惑を掛けることになる。
厚労省は5月1日、いわき市産のタケノコに規制値を超える650ベクセルの放射性物資が検出されたと発表した。 5月12日には南相馬市や伊達市など福島県の7市町村で採取したタケノコから、食品衛生法に基づく暫定基準値を上回る放射性物質を検出したと発表した。 採取したのは4月27日である。 規制値を超える650ベクセルの放射性物資である。 枝野官房長官は13日に原子力災害対策特別処置法に基づき出荷停止を福島県知事に指示したという。
やはり5月10日、福島市のカブから暫定規定値を超える570ベクセルのセシウムが検出された。 福島市を含む福島県の県北地方のカブは、4日に出荷停止を解除したばかりだという。 地中のものも、モグラたたきゲームのようだ。
地中で生育するタケノコやカブにこの様に多量の放射性物資が検出されるということは、地表に堆積した放射性物資が雨水などで地中に侵入し、根から吸収されるのであろう。
野菜が地中の物資を吸い上げる比率を「移行係数」というそうである。 農水省は今後、「移行係数」を調査し、作付けの可否を公表していくそうである。
最初に掲げた「足柄茶」が問題になるということは、東北地方はもちろんのこと、関東地方全域は勿論であるが、甲信越、北陸地方や中部地方も視野に入れて全野菜や全果実に付いても放射能調査を組織的に実行して欲しいと思う。 海産物や肉類、乳製品も同様である。
調査もしないで、放射能に付いて非専門家が「これは安全です」なんて言って販売してはいけないと思うし、安易に購買してもいけないと思う。 取り返しのつかないことになるかもしれない。
一番怖いのは、これから10年後、20年後、30年後、40年後、50年後・・・にやってくるかもしれない「スロウ・デス」である。 自分たちの次ぎ、更にその次ぎの世代に訪れるかもしれない「スロウ・デス」をだれが責任を担ってくれるのであろうか。 経済的負担はになってくれても、痛み、苦しみはになうことは出来ない。
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