2011年5月8日日曜日

日本にない新しい化石燃料・シェールガス


東日本大震災に伴って発生した福島原発事故の終息がいまだ明確化されない状況のため、日本中が苦闘している。
そんな折、420日の新聞にアメリカのテキサス州に有る大手電力会社NRGエナジーは東芝と東電がテキサス州で進めていた140万キロワットの原子力発電機2基の商談を取り止める意向という。 
勿論、日本の福島第一原子力発電所の事故の影響が主因であろうが、米原子力規制委員会(NRC)が安全基準の見直しに動いていることも大きいようである。 
更にテキサス州では安価な天然ガスである「シェールガス」が豊富に産出されており、今後安全対策などでコスト増が見込まれる原発にこだわるのは得策でない、との判断もあるようだ。 今や「シェールガス革命」が世界を席巻しているという。
この「シェールガス」は従来の天然ガスとは異なり、頁岩層という岩盤に閉じこめられている天然ガスであり、開発が世界から注目されていた。 採掘しにくいとされてきたが、アメリカのエネルギー開発ベンチャー、チェサピーク・エナジーなどが掘削の技術開発に成功した。 
2年ほど前から生産が飛躍的に伸びたため、世界のエネルギー勢力図を揺るがす可能性もある。
掘削可能埋蔵量は921兆立法メートルであり、在来ガスの5倍にそうとうする。
最近、先進国に続く新興国・BRICsの一つであるロシアの勢いが少し鈍ったのは「シェールガス」の伸長に起因しているという説も有るそうだ。


このガスの採掘は一般にガスパイプを10003000メートル程打ち込んだ後に、頁岩層に沿ってガス管を水平方向へ打ち込む必要が有るという。 この技術がキー技術の一つという。

在来天然ガスの価格体系は庶民には親しみが少ないと思うが、一般には「100Btu」当たりである。 米国の天然ガス価格指標デアルヘンリー・ハブと同じである。 3年前は約12ドルになったが、リーマンショックで4ドル前後に暴落したが、最近は再び上昇して10ドル弱である。 それに対して、「シェールガス」価格は約4ドルである。
天然ガスの100Btuは熱量換算すると6倍で原油1バーレルに相当するため、1バーレルあたりで24ドル前後の価格であるので十分に競争力あるという。


下の曲線です
アメリカにおける石油や従来の天然ガスの生産地はテキサスやルイジアナなどの南部で有ったが、「シェールガス」は殆どの全州で期待できるという。


東部、北部でも産出する。 ピンク色の部分

今後、アメリカ意外でも世界の多くの国・地域で産出に期待が持てるという。 しかし残念ながら、日本は産出の可能性が期待できない。 せいぜい投資だけのようだ。


円の大きさが産出量、円内の黒色が比率
ブッシュ大統領の時代からアメリカが地球温暖化対策に消極的であったのは、この「シェールガス」が原子力発電より経済性が高かったことを期待していたように思えてならない。 「シェールガス」は石油や石炭より二酸化炭素排出が少ないようである。 
彼らには隠し玉がもう一つある。 これは次回。

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