2011年6月23日木曜日

高知県梼原町 自然エネルギーで、町づくり


太平洋からも、瀬戸内海からもかなり離れた四国のカルスト台地に高知県梼原(ゆすはら)町がある。 その町に2009年まで312年間、町長を務めた中越武義さんがいる。
中越さんは町内に風力、太陽光、地熱、小水力、バイオマスなどの自然エネルギーを次々に採用していった。 「自然と共生のまちづくり」の成果を更に全国に広めようと最近、「こちら健康・省エネ住宅推進協議会」会長に就任したそうである。

中越氏は3期務めたが、方針は生き目は前任者の政策を継承し、2基目は自分の政策を実行し、3期目は実行案件を仕上げ、チェックして、町民に惜しまれながら、後進に町長の座を引き継いだそうである。 早く辞任を迫られながら権力の座にしがみつく現在の首相と大きな違いである。

梼原町は人口3900人弱、面積は236平方キロであるから、東京の山手線内の面積(65平方キロ)の34倍ほどである。
中越町長は就任の翌年から環境問題に取り組んだ。 1999年に風車を2基設置し、1200キロワットの電力は300戸分の電力をまかなった。 当時3億円の税収で22千万円を投資し、電力は四国電力に買い取ってもらった。 風力発電で年間4千万年の収益となった。
この収益金を積み立て、2000年には「森との共生」に取り組んだ。 町の面積の91%は森林であり、森林は荒れ放題で有ったという。 そこで5㌶(5万平方メートル)以上の森林の間伐や手入れをすれば、1㌶当たり、10万円を支払った。 結果として、森林はよみがえり、雇用も生まれた。 間伐材は木質ペレットとしてバイオ燃料に活用した。
整備された森林は整備され、コースは「森林セラピー」として心身のリフレッシュになるとして都会の人達に愛され、観光として貢献した。

四万十川の清流は6メートル程の落差を利用して、3カ所に小さな水力発電所を作った。 この電力は、昼間は町立の学校に利用され、夜間は街路灯として通行人に役立った。
役場、学校などの町立施設の屋根には太陽光発電の装置を取り付けた。 地熱を利用して温水プールを作った。
町民が太陽光発電を設置する場合はキロワット当たり20万円を補助した。 現在は100戸以上が設置しているため、四国では普及率は一番高いという。

これらの環境対策はトップダウンではなく、町民からの意見を大いに取り入れたという。 町民より公募で15人に欧州を視察してもらい、町づくりの提案をしてもら他つぉうだ。
現在、町の財政は県内トップの健全性と安定性を維持し、山奥の過疎の町でありながら、7人の医者がいる町立病院の経営も順調で有るという、全く羨ましいい限りである。

町長を辞任後は県内の山の森林資源を活用して、高齢者や弱者が安心して生活できるよう、健康と省エネを兼ねた住宅を開発し、全国に発信してゆくそうである。 ご成功をお祈りしたい。

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