2011年6月12日日曜日

ニッポン テレビ王国からの落城


戦後の日本の産業を牽引した製品は数々有ったが、家電製品は庶民にとって身近なものだった。 その中でもテレビは大人から子供にまで大人気であり、居間では家族の主役となり、家族の団らんから会話を奪ってしまったなどとも言われたことも有った。

テレビは家電商品の核として、アメリカの市場を席巻し、日本の輸出王国の基礎を築いた。 
1990年代末になるとテレビの画面はブラウン管方式から薄型テレビとなった。 
1960年代の初めだったと思うが、早稲田大学の文化祭で“壁に掛ける将来のテレビ”という展示を見たが、実現出来るのだろうかと思った。 
店頭に展示されていた薄型テレビを見た時は感動的だったことを思い出す。

2000年代の初めは32インチ型薄型テレビでも価格は5060万円程であった。 
シャープを筆頭に松下(現パナソニック)、東芝、日立などは薄型テレビ技術を確立し、製造設備を増強して、アメリカを始め薄型テレビ市場を席巻した。 
2000年代の後半になるとシャープと松下の2強時代化がすすんだ。 ソニー、東芝と日立はテレビ用の薄型パネルを他社に依存する方向に進んでいる。

その前後から、台湾や中国でパソコンやテレビの薄型パネルの技術確立や製造設備増強が進行されていった。 
日本と台湾・中国の隙間を縫って、韓国は半導体の次期製品として薄型パネル技術を確立していった。
かつてはアメリカのホテルの備え付けテレビは殆ど日本製であったが、昨年、アメリカを旅行した時のホテルの薄型テレビは韓国製であった。
ブランドはサムスン(三星電子)やLGLG電子)である。

6月初めの新聞記事によると、シャープとパナソニックが薄型テレビの国内生産を縮小するという。 薄型テレビからの撤退である。 
価格競争で韓国製に対抗できないという。 リーマンショック以降の円高によるところも多いようだ。 
東芝とソニーは中小型の液晶事業に特化して行くという。 日立は台湾メーカーと提携の方向の様である。 
ちょっと気になるのは、調査会社である米ディスプレイサーチによると合併という規模の拡大だけでなく、人材の質を高めることも必要であるという記事だ。

いつの間にか、日本は薄型テレビの世界シェア―トップの座を韓国に奪われてしまった。
いずれ、中国品も出てくるのであろう。
1~2年前までは3Dタイプで日本の独り占めの様にメディアではやしていたのはどうなったかと思う。

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