2011年6月18日土曜日

海外留学生の減少現象


日本の若者の現象として「草食性・・・」「海外へ出たがらない」「脱自動車」など、日本経済バブル以前と対極的な言葉がメディアに登場するが、この現象は海外留学にも顕著な現象である。
それに対して、アジア全体では日本と異なり、嘗ての日本と同じ状況である。 特に、中国、韓国、インド、などは現在の経済の伸長状況と相関しているようである。

世界の大学で評価が第一位はアメリカのハーバード大である。 
日本人の最初のハーバート大への留学生は1872年に始まり、それ以来、約3000人が留学したそうであるが、
大学への新入生である「学部生」と「大学院生」の学生数は上表の様に右下がりの減少である。
それに対して、中国や韓国からの学生数は右上がりで増加している。
1992年に対して2009年の入学増減では日本は41.9%減、中国は57.1%増、韓国は155.3%増である。
日本の場合、「学部生」は年間1桁であり、風前の灯という状況である。 「学部生」に対して、「大学院生」の比率が多いのは社費負担の企業派遣や国家公務員の派遣の影響であろう。 「学部生」が少ないのは入学試験科目で日本人の得意であった「文法」が廃止され、「聞き取り」や「読解」などに重点が重んじられるようになったことと、日本の高卒の進路決定傾向が保守的であり、世界的な傾向と乖離しているらしい。

中国や韓国など世界的な傾向として、高校レベルで優秀な学生は欧米の優秀な大学へ挑戦し、卒業に際して、海外の社会に活躍の場を求めてもよいし、その貴重なキャリア―を携えて母国へ帰国しても、母国の社会は一般にその実績を評価する社会になっているそうである。
日本の社会は上記と異なり、日本の大学を終了した学生を4月に採用する旧来の習慣から抜け出せないので世界の一般的な傾向と異なるコースになっているらしい。 ここにも、日本の“ガラパゴス現象”が有るのである。

上の表はアメリカの全大学の受入れ留学生数である。 アメリカ以外への留学も同じような傾向ではなかろうかと思う。 
「仕事は人脈」と言われるが、ますますグローバル化する世界に有って、日本は“鎖国”の方向へ進んでいるようにさえ思われる。 日本は海外では小国への道をたどっているのではなかろうかと思う。

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