経済協力開発機構 (OECD) が2000年から加盟国の15歳の生徒を対象として、学習到達度調査(Programme for International Student Assessment, PISA)を始めた。 この調査を以下PTSA(ピサ)とする。
3年ごとに実施し、2000年は32カ国で有ったが、2009年は65カ国に拡がった。 科目は「読解力」「数学」「科学」の3科目である。
2000年から2009年までの4回の3科目の総合点の国別順位が上図である。
日本は2000年に8位から2006年には15位まで順位を下げたが、2009年は8位まで戻した。 欧米ではフィンランド、カナダ、ニュージランドやオーストラリアが上位に食い込んでいるが、アジア勢はその上である。 韓国、香港が強いが、2009年には上海が初参加で突然1位に進出した。 上海は3科目で1位である。
上海には公立小中学校一貫校が約1600校ある。 経済発展が激しい上海は、1990年代以降に教育格差を縮小するために教育改革に取り組んだ。 学力の上位校と下位校と組み合わせて教師や教育方法を交流させ始めた。 いわゆる「ペア制度」の導入である。 貧困地帯の生徒の家庭にはパソコンの無い場合も多かったが、学校では音声やIT環境に慣れさせるように努めた。 視覚や聴覚を利用して、視聴覚の理解に重点を置き、脱「詰め込み」に挑んだ。 「書画」、「器楽」や「囲碁」などに力を入れている学校もあるという。
「囲碁」は数学的な力や集中力、多角的な思考力に影響するらしい。 また、算数や数学は土地の面積と価格など、生活に即した題材を取り入れるような工夫もしているという。
このブログに載せた、6月18日の海外の留学生増、特にハーバード大など優秀大学への留学生の増加、6月19日の国際科学オリンピック大会などと流れなのだろうか。 背景は経済力の伸長なのだろうか。
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