2011年4月1日金曜日

広瀬隆著『東京に原発を!』は納得



私は25年前に3年間ドイツに滞在した経験が有るので、ドイツには興味がある。 日本ではTVや新聞にはドイツの情報が非常に少ない。 ドイツの週刊誌『シュテルン(Stern)』でも読めればいいのだろうがそれほどにドイツ語を理解できない。 又、容易に手に入らない。 従ってパソコンをたたいて、飢えをしのぐように少ない情報をあさっている。
そんな関係でドイツの原子力発電や再生エネルギー問題には興味を抱いている。 
2000年の社会民主党(SPD)と緑の党は2022年までに原発を廃止して、『脱原発』にするとは驚〄た。 あれほどの工業国をどのようにして、『脱原発』するのかと。 しかし、ここ23年の再生エネルギー計画を見ていると充分可能性が有るように思えるようになってきた。 そう思っていたら、2009年のメルケル政権は原子炉寿命を32年から12年間延長して、2022年から2034年とした。 それに対する国民の反発が327日の2州のメルケル政権に対する否認であった。
311日の大地震に誘発された東電・福島原発の放射線漏洩事故で、ドイツ駐在時のソ連のチェルノブイリ原発事故を急に思い出した。 今までに原発に関する本などを読んだことが無かったので、どんな本が有るのか調べてみた。 
いつものことでパソコンに向かっていたら、広瀬隆著『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』(文藝春秋、1988
という原発と関係ないような書名が有った。 
ジョン・ウェインはアメリカの大スターであった。 ジョン・ウェインの入院期間中に当時のアメリカ大統領であるジミー・カーターが見舞いに訪れた。 現職の大統領が映画俳優を見舞うのは異例であるという。
広瀬隆は仮説を立てたという。 
ジョン・ウェイン、スティーヴ・マックイーン、ゲイリー・クーパー、ヘンリー・フォンダなどのアメリカのハリウッドの名優の多くがガンで他界しているのは何故か。
1950年代にネバダ州のネバダ核実験場で多くの核実験が行われた。 核実験によって放射能が風に乗ってネバダ州、アリゾナ州、ユタ州などへ運ばれて、地上に蓄積された。 それらの州の砂漠や草原でハリウッドの西部劇映画のロケが頻繁に行われた。 アメリカの名優達は、数ヶ月もロケ地に滞在して映画を撮影していた。 俳優に限らず、エキストラや周辺の原住民の中にではガン患者の数が増加した。 また死に至った患者も多く出たという。 ジョン・ウェインもその一人であるという。
広瀬隆は原発関連の著書も多数著作している。 特にもう一冊目に付いた書名は『東京に原発を!』(1981JICC出版局、後に集英社文庫)である。
この趣旨は「原発が安全というならば、送電線建設に膨大のコストを掛けず、長距離送電による電力ロスなどの発生しないように、電力の大消費地である首都圏に原子力発電所を建設してはどうか」と指摘ざたという。
私はこの提案に同感であり、大賛成である。 データを見ると、東電の送電ロスは約5%である。 
本来、東電の電力供給域は首都圏である。 それは、今回の計画停電の区域で明白である。 新潟県や福島県は圏外である。 それにも拘わらず、東電の原発は全て供給域圏外である。 福島県、新潟県、更に2017年を目途に建設中の東通原発は青森県の下北半島である。 原発基地から消費地までの送電ロスは10%以上になるのではなかろうか。 
原発が「絶対安全」と言うならば、原子力発電所は大消費地である首都圏近傍に建設するのがベストである。 水力発電所は消費地近傍に建設できない。
今までの原発建設は大消費地から遠隔の地ばかりである。 政府、官僚、電力会社、原発推進論者、原発推進学者、原発推進ジャーナリスト達は自分たちから離れた福島県、新潟県、青森県に建設すればいいと実行してきた。
福島県、新潟県、青森県の人々はモルモット位にしか思われていない。侮辱もいい加減にしてほしい。

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