「週刊ポスト」の入手した資料
4月19日(火)の昼時に「テレビ朝日」のスウィッチを入れながら昼食していたら、福島原発事故のテーマが報道されていた。 その最後の段階で今夏の「停電問題」の最後にコメンテータの須田慎一郎が「今夏の電力最大需要期でも“停電”は避けられますよ。 「極秘資料」をあるルートから見せられましたよ」という趣旨の発言でその番組は終わりました。
私は前日の月曜日の新聞広告『週刊ポスト』(小学館)4月29日号の広告と同じよう話だなと思ったので、本屋へ行った。 その雑誌を手にして目次を開くと『極秘資料入手! 「原発完全入手でも「停電」なし」なる見出しで、4ページの記事が有ったので早速入手して自宅へ帰った。
記事の主旨は次の様なものであった。 その資料は『東京電力の設備出力及び地震による復旧・定期検査等からの立ち上がり動向』と表記されている。 東電の原子力、火力、水力発電の出力、被害状況、7月末までの復旧見通しの一覧表であり、資源エネルギー庁や官邸、政務三役、与党幹部等への電力制限の説明用資料でありミリ上に「極秘」と記されているという。(冒頭の写真参照、週刊ポストよりコピー)
それによると、東電の電力供給量は震災前には5200万KWであったが、震災後の3月14日時点で3100万KWにまで下がったという。 電力需要のピークを迎える7月末までに、定期点検後の立ち上げや復旧工事の突貫工事などで供給力は4650万KWになる。 昨年のピークは5999万KWで有ったが、今年のピークのm見通しは「5500万KW程度」である。 従って、850万KWの不足となる。
記事によると、実際には資料に「隠された電力」が有るという。 それは聞きなれない用語であろうが「揚水発電」であり、東電の場合、1050万KWが隠されているという。 この数値は不足の850万KWを上回る。
揚水発電所リスト(50サイクル圏)
ピンク色は未完成カッコ内は計画値、灰色は廃止
原子力発電は稼働し始めると、需要量の少ない夜間に発電調整などは一般にはしない。 火力発電は調整しても電力に余裕が有れば活用したいと考えるのが一般である。 水力発電で昼間に発電した発電水を揚水用貯水池に貯水しておき、原子力発電の夜間の余剰電力を利用して揚水発電所の上貯水池をまで揚水するのである。 この揚水発電をピーク時に稼働させればよい。
雑誌社から東電に確認したところ、東電広報部は「揚水発電を発電量に織りこめるかどうかは精査中です」という。 電気事業連合会広報部も「原発でなくても、夜間の余剰電力があれば揚水は稼働できます」という。
上記記載電力以外に鹿島共同火力発電所、常磐共同火力発電所、横須賀火力発電所などで約150万KWの早期復旧ないし再開が指摘されているという。
「揚水発電」などを電力制限の説明用資料になぜ記載しないのだろうか。 海江田経産相や資源エネルギー庁、官邸や政務三役がその存在を知らないはずがない。 電力業界、諸経済団体、「原子力ムラ」や官僚・政権ぐるみで国民に「原発の必要性」を植え付ける「偽装停電」ではなかろうか。
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