2011年6月14日火曜日

IMF前専務理事の足首にあの監視装置


経済危機が発生すると急に登場してくるのが国際通貨基金(IMF)である。 
現在の経済危機の舞台はヨーロッパである。 サブプライムローンに端を発して、100年に一回と言われるリーマン・ショックの大津波を受けたヨーロッパ経済の弱体化は、2年以上過ぎてアイスランド、ギリシャ、ポルトガルと財政破綻状態まで追いつめられている。 救済の手を差し伸べるのは何時もEUの中央銀行(EUB)とIMFである。

そのIMFの最高責任者が「専務理事」である。 日本では「専務」という肩書がつくと「社長」の下の職位であるが、IMFではトップである。

前専務理事ドミニク・ストロス・カーンは514日性的暴行容疑で訪問先のニューヨーク市で逮捕されたという。 欧州危機の支援上の反発者からの陰謀説も噂さも有るそうだ。
現金100万ドル(約8千万ドル)の保釈金で20日には保釈されたがニューヨークからの移動は許されず、24時間、足首に電子監視装置を付けながらマンハッタンの高級住宅地のマンションに軟禁されていたそうである。

しかし、住民の反発に会い、警備会社の用意した従業員住宅で公判を待っているそうである。

このブログの324日に「犯罪者用GPS監視装置」を掲載したが、アメリカでは犯罪が多く、刑務所も拘置所も満杯であり、この監視装置の適用が多いそうだ。 
アメリカでは国家も州政府も財政難である。 日本の刑務所は国家管理であるが、アメリカでは刑務所は州政府管理である。 アメリカの50州で約半数は刑務所に余裕がない。 従って、重犯罪以外はこの装置が多用されているそうであるが、1月前まで財政危機に貧している国家の首根っこを掴んでいたような高官ですらこのような装置を装着されるのだという記事にお目にかかった。

2011年6月12日日曜日

ニッポン テレビ王国からの落城


戦後の日本の産業を牽引した製品は数々有ったが、家電製品は庶民にとって身近なものだった。 その中でもテレビは大人から子供にまで大人気であり、居間では家族の主役となり、家族の団らんから会話を奪ってしまったなどとも言われたことも有った。

テレビは家電商品の核として、アメリカの市場を席巻し、日本の輸出王国の基礎を築いた。 
1990年代末になるとテレビの画面はブラウン管方式から薄型テレビとなった。 
1960年代の初めだったと思うが、早稲田大学の文化祭で“壁に掛ける将来のテレビ”という展示を見たが、実現出来るのだろうかと思った。 
店頭に展示されていた薄型テレビを見た時は感動的だったことを思い出す。

2000年代の初めは32インチ型薄型テレビでも価格は5060万円程であった。 
シャープを筆頭に松下(現パナソニック)、東芝、日立などは薄型テレビ技術を確立し、製造設備を増強して、アメリカを始め薄型テレビ市場を席巻した。 
2000年代の後半になるとシャープと松下の2強時代化がすすんだ。 ソニー、東芝と日立はテレビ用の薄型パネルを他社に依存する方向に進んでいる。

その前後から、台湾や中国でパソコンやテレビの薄型パネルの技術確立や製造設備増強が進行されていった。 
日本と台湾・中国の隙間を縫って、韓国は半導体の次期製品として薄型パネル技術を確立していった。
かつてはアメリカのホテルの備え付けテレビは殆ど日本製であったが、昨年、アメリカを旅行した時のホテルの薄型テレビは韓国製であった。
ブランドはサムスン(三星電子)やLGLG電子)である。

6月初めの新聞記事によると、シャープとパナソニックが薄型テレビの国内生産を縮小するという。 薄型テレビからの撤退である。 
価格競争で韓国製に対抗できないという。 リーマンショック以降の円高によるところも多いようだ。 
東芝とソニーは中小型の液晶事業に特化して行くという。 日立は台湾メーカーと提携の方向の様である。 
ちょっと気になるのは、調査会社である米ディスプレイサーチによると合併という規模の拡大だけでなく、人材の質を高めることも必要であるという記事だ。

いつの間にか、日本は薄型テレビの世界シェア―トップの座を韓国に奪われてしまった。
いずれ、中国品も出てくるのであろう。
1~2年前までは3Dタイプで日本の独り占めの様にメディアではやしていたのはどうなったかと思う。

2011年6月8日水曜日

大卒就職率 最低の91%





明るい話が殆ど無い。 524日の新聞に今春の大卒就職率の記事が出ていた。 
結果は統計を取り始めた1997年以降で最低であった「就職氷河期」と言われた2000年と同率の91.1%であった。 
文部科学省と厚生労働省が20101012月と201114月の各月1日に全国の国公立大、私立大、短大、高専、専修学校112校の学生数6250人を対象に追跡調査した抜き取りデータである。 311日の東日本大震災のため、東北の3校のデータを除外したものである。 東北地方の実態を加味したら、上記数値より悪い結果になったであろうと推測している。

就職率は就職希望者のうちで就職できた割合である。 今春の卒業生数は555千人であり、その内で就職希望者数は前年とほぼ同じの66.4%の約37万人である。 就職率が91.1%であるから約33千人が就職できなかったことになる。 ほぼ10人に1人が就職できなかったのである。
留学を含めた進学予定者や自営業への就業者、ごく少数であろうが政治や芸術方面に志向する者は対象外である。
実態は就職率に表れた数値より厳しい。 「新卒」の肩書を失わないために留年を選ぶ学生も多い模様である。 こうした「就職留年」は反映されていない。 

524日の朝日新聞にはこんな主旨の記事も有った。
卒業してしまうと、やり直しがきかないような気がして、内定が決まらないために、卒論を書かず留年の道を選んだ人もいるという。 

東京都内の卒業したある男性(23)は、5月半ばに「就職応援ハローワーク」に足を向けた。
昨年、公務員試験に落ち、秋頃から就職活動を始めた。 営業職志望だが、面接ではせっかく準備した答えをスムーズに切り出せなかった。
「卒業までには決めて見せる」と追い込みをかけていた矢先、東日本大震災が起きた。
エントリーしていた3社が、震災を理由に採用を取りやめた。 結局、内定を取れないまま卒業を迎えた。
就職が決まらなかったことを地震のせいにした時期も有ったが、今は自分の責任とふっ切った。 「2度目の就活では、もっと素の自分を出したい」

また、今回の就職状況調査に盛り込まなかった被災地からは深刻な実話を聞かされたそうだ。
3月に東北のA大学を卒業した女性は、在学中に東京に本社を置く金融会社の仙台支社への内定が決まっていた。 営業で車を使うため、練習用にと、軽自動車をローンで買った。 しかし、震災直後、金融会社が倒産し、内定取り消しの通知が届いた。
3月は就職活動どころではなかった。 新車のローンは残ったままであり、「今は希望も何も考える暇がない。 とにかく内定を取るしかない」

読むに耐え難い記事である。 10年以上も教育しておいて、若者をこの窮地に追い込んでしまった国家こそ責任を負って頂きたい。 
上記の事例はほんの氷山の一角の具体例であろうがӀ33千人には各々固有の聞くに堪えない実態が有るものと思う。 
この他に、中卒や高卒で就職できなかった若人もいる。 更に昨春に就職できなかった若者もどうなったことであろう。 思いは尽きない。 

このブログの417日に国内の年間自殺者が年間で約33千人であるということを掲載したが、図らずも今春の大学卒業者で就職できなかった人数が同じ33千人のレベルである。
この状況が10年間も続けば、希望に燃えて社会への門出の志を打ち砕かれる若者は3040万人となり、この数値は地方の県庁所在地の都市人口に近い。

繰り返しになるが、67歳で小学校に入学して以来13年間も学校で生活し、新しい第2の人生のスタートにこの様な苦難は厳しすぎると思う。 この椅子取りゲームは余りにも酷である。 
東日本大災害によって肉親を失い、家屋を失い、職を失い、夢も希望も失ってしまった人達の悲しみ、悔しさ、失意の気持ち等を理解するには余りあるが、就職の機会を得られなかた若者やご家族の方々の置かれている状況もそれらに勝るとも劣るものではないと思う。
政界で不信認だ、否決だ、また大連合だ、不合意だと政争に明け暮れている政治家達もいい加減にしてほしい。 官僚も企業経営者達も日本の若者や日本の将来を真剣に考えて頂きたいものである。

2011年5月21日土曜日

足柄茶にも放射能、野菜はほんとに大丈夫?


現在、政府は野菜類の放射性物資の基準値を1キログラム当たり500ベクレルに設定している。
神奈川県は511日に南足柄市で採取した茶葉1キログラム当たり(以下同じ)から規制値を超える570ベクセルのセシウムを検出したと発表した。 同13日小田原市や周辺の2町から採取した茶葉からも670780ベクセルのセシウムを検出したという。 
農水省は生茶から飲用になった段階で放射性物資は9部分の1から6分の1に薄まるから問題はなさそうだというが、県は茶葉の回収と出荷は自主規制するなどの措置を関係農協に要請したという。 
南足柄市など6市町の茶は「足柄茶」の銘柄で市場に出ているという。 今年の新茶は56日から出荷を始めた。 既に2600キログラムを製品化し、半分は販売されたそうだ。 
神奈川県環境農政局は厚生省と原料である生茶の段階で出荷を規制すべきかどうか厚労省と検討するという。
これからすると、販売してしまった「足柄茶」はいずれ、お客様の体内へ取り込まれるのであろう。
厚労省は静岡県や埼玉県など14都県に茶葉の調査を依頼したという。 なんでも、出たとこ勝負という感じだ。 モグラたたきゲームのようだ。
福島原発はここでも生産者や販売業者だけでなく、飲用するお客様にも大きな迷惑を掛けることになる。


地上だけでなく、地中で生育するタケノコやカブでも放射能が検出されている。
厚労省は51日、いわき市産のタケノコに規制値を超える650ベクセルの放射性物資が検出されたと発表した。 512日には南相馬市や伊達市など福島県の7市町村で採取したタケノコから、食品衛生法に基づく暫定基準値を上回る放射性物質を検出したと発表した。 採取したのは427日である。 規制値を超える650ベクセルの放射性物資である。 枝野官房長官は13日に原子力災害対策特別処置法に基づき出荷停止を福島県知事に指示したという。
やはり510日、福島市のカブから暫定規定値を超える570ベクセルのセシウムが検出された。 福島市を含む福島県の県北地方のカブは、4日に出荷停止を解除したばかりだという。 地中のものも、モグラたたきゲームのようだ。
地中で生育するタケノコやカブにこの様に多量の放射性物資が検出されるということは、地表に堆積した放射性物資が雨水などで地中に侵入し、根から吸収されるのであろう。
野菜が地中の物資を吸い上げる比率を「移行係数」というそうである。 農水省は今後、「移行係数」を調査し、作付けの可否を公表していくそうである。

最初に掲げた「足柄茶」が問題になるということは、東北地方はもちろんのこと、関東地方全域は勿論であるが、甲信越、北陸地方や中部地方も視野に入れて全野菜や全果実に付いても放射能調査を組織的に実行して欲しいと思う。 海産物や肉類、乳製品も同様である。
調査もしないで、放射能に付いて非専門家が「これは安全です」なんて言って販売してはいけないと思うし、安易に購買してもいけないと思う。 取り返しのつかないことになるかもしれない。
一番怖いのは、これから10年後、20年後、30年後、40年後、50年後・・・にやってくるかもしれない「スロウ・デス」である。 自分たちの次ぎ、更にその次ぎの世代に訪れるかもしれない「スロウ・デス」をだれが責任を担ってくれるのであろうか。 経済的負担はになってくれても、痛み、苦しみはになうことは出来ない。


2011年5月20日金曜日

ドイツは原発への「飛行機墜落も考慮」

518日の新聞報道によるとドイツ政府は原子力発電所に対する飛行機の墜落の可能性も考慮して、「脱原発」への政策転換を図ってゆくそうである。
日本でも原発導入当初には導入に対して賛否議論の過程に、原発への隕石の衝突の可能性を論じたと子供の頃、聞いた記憶がある。
ドイツには現在17基の原発が存在する。 福島原発事故直後から1980年以前に稼働した7基は3カ月間の運転停止を決定した。 対策を検討するためと言う。 安全性を新たに検討している専門家委員会はその7基のうち4基は小型機墜落に対しても防護基準を満たしていない。 1980年以降のより新しい原発も含めた13基も、大型機墜落への安全性は充分でないという。 専門家委員会はそのような主旨の報告書を環境相に提出したという。
ドイツ政府は今後、「脱原発」のスケジュールを決めるにあったって、原発が飛行機の墜落に対して、安全性を確保しているかどうかを考慮するそうである。 墜落への安全性の不十分な原発は廃炉の可能性が高いようである。
地震や津波のみならず、航空機などの飛行隊落下の可能性まで検討するとは素晴らしいことである。
 

2011年5月14日土曜日

九州に韓国資本 ゴルフ場やホテルに進出

九州の韓国資本のゴルフ場
韓国資本の経営するゴルフ場やホテルが九州に増えているという。 沖縄を除いた九州7県にゴルフ場が190あるが、韓国資本のゴルフ場は22カ所とのこと。 一割強である。 韓国系のゴルフ場は日本全国で45カ所に達している。 九州には他にホテルが9カ所あり、ゴルフ場併設も有る。
韓国経営のゴルフ場やホテルが九州に多いのは、韓国からの利便性であろう。 韓国から九州への直行便も有るし、九州の観光地の魅力や温泉、食材の豊富さなどがゴルフとの組み合わせで旅行プランにマッチするのであろう。 背景には韓国経済の健全さが大きい。 既存施設の買収である。 韓国企業による買収は2000年初期から始まり、05年から加速したという。 九州を訪れる外国人の6割が韓国からだという。

日本経済の弱体化の反映でもあろうが、ゴルフ場への外資の進出はアメリカのゴールドマン・サックスやローン・スターグループなど67社が主に投資していたが、韓国からも67社が投資しているようである。
外資比率はゴルフコース数で約15%である。
最近、月曜日の新聞のスポーツ欄を開き、プロゴルフのベストテンを見ると、男女とも韓国の選手が5人前後の名前を連ねている。 相撲は外国人は部屋当たり2名と制限しているので、ウィンブルドン化を食い止めているが、ゴルフはウィンブルドン化してしまうのだろうか。
福島原発とは直接関係ないと思うが、九州へ住まいを変えたゴルフ好きの友人のコメントを聞きたいものである。