アフリカ東部は60年ぶりの干ばつで食料危機が発生し、1200万人が深刻な飢餓に直面し、特にソマリア南部は暫定政府と対立する武装勢力の実効支配下で、370万人の生命が危機に直面しているという。
下で触れるアフリカ東部で領土の大きい国はスーダン、エチオピア、ケニア、タンザニアなどである。
2008年9月のリーマンショック以来、先進諸国は長期の経済停滞から抜け出せない。 アメリカは8月2日を期限として国家破綻の生死を賭けて、政権与野党は上下院のねじれ議会は解決策に至らない。 ヨーロッパではギリシャが国家破綻の一歩手前で困窮している。 政権は当面の金策のメドはついたが、国民は公務員の削減や社会福祉などの公費削減に納得していない。 ギリシャに続いてポルトガル、アイルランド、スペイン、イタリアなど財政不安定国がひしめいている。
日本は東日本大震災と原発事故で社会全体は大打撃を受け、経済も冴えない。 政治はアメリカと同じねじれ状態である。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の国名の頭文字を表す)で代表される先進国は、それなりに経済状況は堅調であるが、それぞれ問題を抱えている。
この状況でも長期的には食糧価格と原油価格は上昇傾向であっても、値下がり傾向にはない。
2007年からの原油価格上昇以来、アメリカやブラジルなどでトウモロコシや大豆などの穀物が燃料用エタノール転用された。 その結果として穀物が逼迫し、穀物価格の上昇が始まった。
肉食価格は穀物価格に連動して上昇傾向にある。 世界的にも牛、豚、鶏の主飼料は穀物である。
牛肉1kg生産するには10kgの穀物を要する。 豚肉には5kgを要する。 鶏肉には3kgを要する。 従って、人間の食生活で肉食比率が向上すると穀物の需要はより高まる。
現在、世界人口は69億人である。 2050年には91億人と約30%増加する。 現在、充分に食糧が満たされない人口も有るし、肉食比率の増加も有り、2050年には穀物増産比率は40%と予測されている。
食糧増産と燃料用油種製造目的もあり、世界では“ランドラッシュ”(現代版・農地争奪戦)が進行している。
小麦、トウモロコシ、大豆などの穀物やサトウキビ、バームオイルなどの増産のために、ヨーロッパ、中国、韓国、インドや中近東諸国がアフリカ、南米や旧ソ連圏の未開発の農地などを大掛かりに買収している。 アフリカなどでは領地の境界などは明確でない場合が多く、多くの住民は急きょ強制的に立ち退きさせられるケースも有るという。 この現象を「新植民地主義」として非難を浴びる事例も少なくないという。
世界銀行による2010年9月の発表によると2008年10月から09年8月までの11ヶ月で
プロジェクト数は464件であり、具体的に把握できた203件の面積は4460万ヘクタールであり日本の面積(3780万ヘクタール)の1・2倍に近い。
具体的な事例では中国はコンゴ民主共和国やザンビアなどに517万ヘクタール(スイスやオランダより広い面積、共に410万ヘクタール)を買収している。 インドはエチオピアやインドネシアに171万ヘクタール(クウェート、180万ヘクタール)を取得している。 韓国は105万ヘクタール(レバノン共和国、100万ヘクタール)を入手している。 一部、民間企業の参画も有る。
日本は民間ベースである。 三井物産がブラジルの穀物業者に出資し、大豆、トウモロコシを生産し、その一部を日本へ輸出している。 商社・双日がブラジルのバイオエタノールと砂糖事業に参入しているが両者とも小規模である。
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