2011年7月26日火曜日

福島原発事故の放射性廃棄物 5月末の推定値

311日の東日本大震災の地震と津波の被害額は1625兆円の範囲であろうという推定額は政府から地震発生の2週間後には報道されている。 阪神淡路大震災の被害は約10兆円であった。

特に今回の福島原発事故に関して、メディアの姿勢は週刊朝日と週刊現代は「煽り派」、週刊新潮と週刊ポストは「慎重派」という評価らしいので、朝日新聞社発行の「AERA(アエラ)はやはり「煽り派」かもしれないが、AERA66日号に「明日なき放射性廃棄物」という記事が有った。
530日発売であるから、5月中旬の情報であろうが、放射線に汚染された土壌と冷却水だけでも処理費用は66億兆円になるという。

放射性廃棄物は通常の廃棄物と異なり、処分方法は法律で厳格に規定されている。 茨城県東海村の日本原子力研究機構の東海研究開発センターが大学や研究機関から放射性廃棄物を処理委託された場合に適用する「放射性廃棄物処理処分料金表」に基づいて算出した推定値である。
従って、多量処理の場合のコストは可なり圧縮できると思う。

「汚染土壌」は文部科学省と米国エネルギー省の調査による“汚染された土地“800平方キロメートルを対象としている。 琵琶湖の湖水面積の1.2倍に相当し、福島県の面積の5.8%である。
地表から5センチメートルの表土を除去すると、4000万立方メートルとなる。 東京ドームは124万立方メートルであるから32杯分に相当する。 この処理費用が46兆円となる。

「汚染水」は5月末で約10万トンである。 12月末までに20万トンとなる。 25メートルの標準プールで410杯分となる。 1トン1億円として20兆円となる。 「汚染土壌」と「汚染水」で処理費は66兆円となる。 現在、フランスとアメリカ企業の排水処理はこのベースを超えるのではなかろうか。

それ以外に「ヘドロ」が120万トン。 これは津波によってもたらされた、原発から半径20㎞圏内の海岸線に堆積されている。
「瓦礫」は同様に20㎞圏内で津波によって破壊された家屋などである。
「汚泥」は約3,000トン。 放射性物資を多量に含む福島県内及び県外の“下水処理施設”より発生する。
「家畜・農産物廃棄物」は7500トンである。 これには7月になって顕在化した“汚染ワラ”に伴う牛は勿論のこと加味されていない。
その他、原発作業者の「防護服・マスク・靴」その他がある。
これらが約20兆円に近いという。 
この20兆円に「汚染土壌」と「汚染水」の66兆円を加算すると90兆円に近い。 
日本人一人当たり負担額は約75万円であり、いずれ国債なり、消費税で国民負担となるであろう。 これからこの数値は更に増加するであろう。 一度事故を起こすと何とも大金のかかる大人のオモチャである。  
以上は被害金額を算出した推定値であるが、数値化できない大問題は上記の放射性物資を含んだ固形物を保管する場所がない。 仮に、地中に密封するにしろ大変な作業であるし、運搬費用なども加算される。
原発被害者や農作物、家畜・水産被害などに対する賠償はこれ以外である。

今後、被曝者に障害が発生したら、たまったものではない。 被害者や関係者の苦しみや悲しみは決して解消されない。

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